平戸祐生園秋祭りに、かつて平戸祐生園に勤務していた元職員が集まりました。利用者の皆さんは久しぶりに見る姿に大喜びしました。
田平茂さんは92歳。平戸祐生園の最高齢者です。園を訪ねると必ず、茂さんに腕をつかまれてこう尋ねられます。
「前川先生は元気ね? 川口先生は? いつ平戸に来ると?」
かつて平戸に勤務していて転勤した職員の名前を一人ずつ挙げて、茂さんはいつも切々と訴えるのです。前川支援員は今、佐世保祐生園に、川口介護職員は佐世保福寿園に勤務しています。茂さんは、ぜひ会いたいと長らく願っていました。
そこで、お二人の職員に秋祭りのお手伝いに行ってもらうことにしました。会いたいと言いながら、会うと実はそっけないのではという大方の予想に反して、茂さんはうれしそうでした。ほかの利用者の皆さんも二人に寄ってきて、「元気ね?」「年取ったねえ」という会話があちこちであり、まるで同窓会のようでした。
秋祭りには、平戸祐生園を最近退職した職員二人も駆けつけてくれて、利用者のみなさんは懐かしい顔に大変喜んでいました。
15年ぶりに平戸祐生園を訪れた前川支援員は「茂さんたちが喜んでくれてよかったです」と笑顔で話しました。同じ法人内とはいえ、一度転勤すると元職場に行く機会はなかなかありませんでした。コロナ禍でイベントがなくなってからは交流が完全に途絶えていました。
今後は、こうしたイベントの機会に元職員が訪問して利用者のみなさんを喜ばせたいと考えています。長崎博愛会は「利用者様を喜ばせる日本一」を目指しています。この取り組みもその活動の一つです。



