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【今これやってます】 9. 生産性向上

業務改善でサービス向上へ      佐世保福寿園ケア統括部長 松尾和寿

生産性向上委員会の会議

 

2024年度の介護報酬改定で、介護現場での生産性向上委員会設置が義務化されたとき、何のことか最初はよくわかりませんでした。義務化は、深刻な人手不足と増大する介護ニーズに対応し、介護の質を向上させることが目的とあります。「工場でもないのに『生産性』ってどういうこと?」。そんな思いがありました。

まずは生産性向上を学ぼうと、昨年から各地の生産性向上に関する研修やリモート研修に積極的に参加しました。そうした中、ある施設の取り組みを聞いて心を動かされました。それは「利用者ファーストのための職員ファースト」という考え方でした。利用者様に最高のケアを提供したいのなら、まず介護職員の体を大事にするということです。

当園ではこれまで手動式のベッドしかなく、職員が中腰になってオムツ交換を行っていました。そのため、腰痛の訴えが多かったのです。職員が疲弊すると離職につながり、残った職員の負担が増えて休めなくなり、結果としてケアの質が悪くなります。負のスパイラルに陥る危機感が生産性向上を進める私の原動力になりました。

委員会を立ち上げて最初に取り組んだのが、手動式ベッドから、電動ベッドへの転換方針です。ベッドは入所者様の生活の場の一部であり、職員にとっても生産性の向上を一番感じられると思ったからです。電動ベッドは1台15万円ほど。70床全部を変えるとかなりの金額になります。そこで、5年計画で電動に入れ替えることにしました。今年度、すでに10台を電動に入れ替え、今春にはさらに10台を追加する予定です。これによって、職員のモチベーションが上がったと感じます。

業務改善に取り組むことで余裕が生まれます。その余裕が、入所者様と関わって会話する時間を増やして、もっとお一人お一人を知って寄り添うケアにつながります。少しずつですが、職員一人一人の意識が変わりつつあります。生産性向上委員会の本格実施は27年度です。今後、さらに働きやすい職場環境作りを実現して、内閣総理大臣表彰に選ばれる施設を目指していきたいと思います。